九州大学 数学(理系)

九州大学の理系数学は大問5つで構成され、試験時間は150分、全問記述式です。

出題範囲は数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲ。標準レベルの問題が中心ですが、計算力を求められる問題ややや難易度の高い問題も出題されます。時間的な余裕はあまりないでしょう。

最も対策すべきは最頻出となっている数学Ⅲの「微分積分」と「複素数平面」です。
「確率」と「ベクトル」も頻出なので力を入れて対策しておきましょう。

九州大学物理

九州大学の理科は、2科目で150分。
大問3つで構成され、全問記述式です。

例年、大問1が力学、大問2が電磁気、大問3が熱力学/波動からの出題。
原子からの出題はほとんどありませんが、2017年度入試では波動と原子の融合問題が出たこともあり、注意が必要です。

難問奇問は出題されず、問題の難易度事態は標準からやや難しいといったところです。しかし、問題ひとつひとつの分量が多く、1科目あたり75分という時間を考えると、けっして余裕はないと言えます

問題のみ掲載しています。問題も過去問のコピー&ペーストではなく、どういった問題が出題されているのか確認するため、私自身が数学のプログラミングソフトを用いてタイプしています。自分の手を介して確認することで、傾向が把握しやすくなるため、タイプしています。

九州大学の文系数学の方では、解答解説を作成している問題もあります。

 

2020年(令和2年)

九州大学理系数学

試験問題

大問1

2020年九州大学理系数学

試験問題

大問2

2020年九州大学理系数学

試験問題

大問3

2020年九州大学理系数学

試験問題

大問4

2020年九州大学理系数学

試験問題

大問5

2019年(平成31年)

九州大学理系数学

試験問題

大問1

2019年九州大学理系数学

試験問題

大問2

2019年九州大学理系数学

試験問題

大問3

2019年九州大学理系数学

試験問題

大問4

2019年九州大学理系数学

試験問題

大問5

2018年(平成30年)

九州大学理系数学

試験問題

大問1

2018年九州大学理系数学

試験問題

大問2

2018年九州大学理系数学

試験問題

大問3

2018年九州大学理系数学

試験問題

大問4

2018年九州大学理系数学

試験問題

大問5

2017年(平成29年)

九州大学理系数学

試験問題

大問1

2017年九州大学理系数学

試験問題

大問2

2017年九州大学理系数学

試験問題

大問3

2018年九州大学理系数学

試験問題

大問4

2011年九州大学理系数学

試験問題

大問1

2011年九州大学理系数学

試験問題

大問2

2011年九州大学理系数学

試験問題

大問3

2011年九州大学理系数学

試験問題

大問4

2017年

大問①微分法とその応用 積分法の応用

比較的解きやすい問題だと思います。(3)の面積を求める問題も易しめだと思います。

 

大問②空間ベクトル 

久しぶりの出題です。平易な問題だと思います。(2)が計算量も多いので計算ミスに気を付けてください。

 

大問③数列 整数の性質

(3)が整数と絡めた問題で取り組みにくいと思います。志望する学部学科によっては、捨てても良い問題だと思います。整数の性質からの出題は4年連続になります。

 

大問④確率

確率漸化式の問題です。

 

大問⑤複素数平面

新課程になり2度目、2年連続の出題です。

 

 

整数の性質や複素数平面が最近よく出題されています。しっかり対策を立てるべき単元になってきています。複素数平面に関しては、旧課程の過去問も参考になると思います。

2016年九州大学理系数学

試験問題


九州大学の理系・医学部医学科の数学の過去問について出題頻度順に傾向をまとめてみました。理系と医学部医学科は同じ問題が出題されます。

九州大学の理系数学は大問5題の構成になっています。

 

九州大学理系① 積分法の応用

九州大学理系② 場合の数と確率

九州大学理系③ 微分法の応用

九州大学理系④ 極限

九州大学理系⑤ 数列

九州大学理系⑥ 三角関数

九州大学理系⑦ 平面上のベクトル

九州大学理系⑧ 空間のベクトル

九州大学理系⑨ 関数

九州大学理系⑩ 整数の性質

九州大学理系⑪ 複素数平面

九州大学理系⑫ 図形の性質

九州大学理系⑬ 微分法と積分法(数学Ⅱ)

九州大学理系⑭ 式と曲線

九州大学理系⑮ 図形と方程式

九州大学理系⑯ 2次関数

九州大学理系⑰ 図形と計量

 

 

 


九州大学理系① 積分法の応用


九州大学理系② 場合の数と確率

 

2008年②

問題

1 から10 までの番号が1 つずつ書かれた10 枚のカードがある。k を2 から9 ま
での整数の1 つとする。よくきった10 枚のカードから1 枚を抜き取り,その
カードの番号がk より大きいなら,抜き取ったカードの番号を得点とする。抜
き取ったカードの番号がk 以下なら,そのカードを戻さずに,残りの9 枚の中
から1 枚を抜き取り,2 回目に抜き取ったカードの番号を得点とする。このと
き,次の問いに答えよ。
(1) 得点が1 である確率と10 である確率をそれぞれ求めよ。
(2) 2 以上9 以下の整数n に対して,得点がn である確率を求めよ。
(3) 得点の期待値を求めよ。


2010年②

問題

次のような競技を考える。競技者がサイコロを振る。もし,出た目が気に入れ
ばその目を得点とする。そうでなければ,もう1 回サイコロを振って,2 つの
目の合計を得点とすることができる。ただし,合計が7 以上になった場合は0
点とする。この取り決めによって,2 回目を振ると得点が下がることもあるこ
とに注意しよう。次の問いに答えよ。
(1) 競技者が常にサイコロを2 回振るとすると,得点の期待値はいくらか。
(2) 競技者が最初の目が6 のときだけ2 回目を振らないとすると,得点の期待
値はいくらか。
(3) 得点の期待値を最大にするためには,競技者は最初の目がどの範囲にある
ときに2 回目を振るとよいか。


2011年⑤

問題

1 から4 までの数字が1 つずつ書かれた4 枚のカードがある。その4 枚のカー
ドを横一列に並べ,以下の操作を考える。
操作: 1 から4 までの数字が1 つずつ書かれた4 個の球が入っている袋から
同時に2 個の球を取り出す。球に書かれた数字がi とj ならば,i の
カードとj のカードを入れかえる。その後,2 個の球は袋に戻す。
初めにカードを左から順に1,2,3,4 と並へ,上の操作をn 回繰り返した後
のカードについて,以下の問いに答えよ。
(1) n = 2 のとき,カードが左から順に1,2,3,4 と並ぶ確率を求めよ。
(2) n = 2 のとき,カードが左から順に4,3,2,1 と並ぶ確率を求めよ。
(3) n = 2 のとき,左端のカードの数字が1 になる確率を求めよ。
(4) n = 3 のとき,左端のカードの数字の期待値を求めよ。


2012年⑤

問題

いくつかの玉が入った箱A と箱B があるとき,次の試行T を考える。
(試行T) 箱A から2 個の玉を取り出して箱B に入れ,その後,
箱B から2 個の玉を取り出して箱A に入れる。
最初に箱A に黒玉が3 個,箱B に白玉が2 個入っているとき,以下の問いに答
えよ。
(1) 試行T を1 回行ったときに,箱A に黒玉がn 個入っている確率pn (n =
1; 2; 3) を求めて既約分数で表せ。
(2) 試行T を2 回行ったときに,箱A に黒玉がn 個入っている確率qn (n =
1; 2; 3) を求めて既約分数で表せ。
(3) 試行T を3 回行ったときに,箱A の中がすべて黒玉になっている確率を
求めて既約分数で表せ。


2013年③

問題

横一列に並んだ6 枚の硬貨に対して,以下の操作L と操作R を考える。
L: さいころを投げて,出た目と同じ枚数だけ左端から順に硬貨の
表と裏を反転する。
R: さいころを投げて,出た目と同じ枚数だけ右端から順に硬貨の
表と裏を反転する。
たとえば,表表裏表裏表 と並んだ状態で操作L を行うときに,3 の目が出た
場合は,裏裏表表裏表 となる。
以下,「最初の状態」とは硬貨が6 枚とも表であることとする。
(1) 最初の状態から操作L を2 回続けて行うとき,表が1 枚となる確率を求
めよ。
(2) 最初の状態からL,Rの順に操作を行うとき,表の枚数の期待値を求めよ。
(3) 最初の状態からL,R,L の順に操作を行うとき,すべての硬貨が表とな
る確率を求めよ。


2014年④

問題

A さんは5 円硬貨を3 枚,B さんは5 円硬貨を1 枚と10 円硬貨を1 枚持ってい
る。2 人は自分が持っている硬貨すべてを一度に投げる。それぞれが投げた硬
貨のうち表が出た硬貨の合計金額が多い方を勝ちとする。勝者は相手の裏が出
た硬貨をすべてもらう。なお,表が出た硬貨の合計金額が同じときは引き分け
とし,硬貨のやりとりは行わない。このゲームについて,以下の問いに答えよ。
(1) A さんがB さんに勝つ確率p,および引き分けとなる確率q をそれぞれ求
めよ。
(2) ゲーム終了後にAさんが持っている硬貨の合計金額の期待値E を求めよ。


2015年④

問題

袋の中に最初に赤玉2 個と青玉1 個が入っている。次の操作を繰り返し行う。
(操作) 袋から1 個の玉を取り出し,それが赤玉ならば代わりに青玉1 個
を袋に入れ,青玉ならば代わりに赤玉1 個を袋に入れる。袋に
入っている3 個の玉がすべて青玉になるとき,硬貨を1 枚もらう。
(1) 2 回目の操作で硬貨をもらう確率を求めよ。
(2) 奇数回目の操作で硬貨をもらうことはないことを示せ。
(3) 8 回目の操作ではじめて硬貨をもらう確率を求めよ。
(4) 8 回の操作でもらう硬貨の総数がちょうど1 枚である確率を求めよ。


2016年④

問題

座標平面上で円x2 + y2 = 1 に内接する正六角形で,点P0(1; 0) を1 つの頂点
とするものを考える。この正六角形の頂点をP0 から反時計まわりに順にP1,
P2,P3,P4,P5 とする。ある頂点に置かれている1 枚のコインに対し,1 つの
サイコロを1 回投げ,出た目に応じてコインを次の規則にしたがって頂点上を
動かす。
(規則) (i) 1 から5 までの目が出た場合は,出た目の数だけコインを反時計まわ
りに動かす。例えば,コインがP4 にあるとき4 の目が出た場合はP2
まで動かす。
(ii) 6 の目が出た場合は,x 軸に関して対称な位置にコインを動かす。た
だし,コインがx 軸上にあるときは動かさない。例えば,コインがP5
にあるときに6 の目が出た場合はP1 に動かす。
はじめにコインを1 枚だけP0 に置き,1 つのサイコロを続けて何回か投げて,
1 回投げるごとに上の規則にしたがってコインを動かしていくゲームを考える。
以下の問いに答えよ。
(1) 2 回サイコロを投げた後に,コインがP0 の位置ある確率を求めよ。
(2) 3 回サイコロを投げた後に,コインがP0 の位置ある確率を求めよ。
(3) n を自然数とする。n 回サイコロを投げた後に,コインがP0 の位置ある
確率を求めよ。


九州大学理系③ 微分法の応用


九州大学理系④ 極限


九州大学理系⑤ 数列


九州大学理系⑥ 三角関数


九州大学理系⑦ 平面上のベクトル


九州大学理系⑧ 空間のベクトル


九州大学理系⑨ 関数



九州大学理系物理の過去問についてまとめました。大問は3題、力学、電磁気学分野は毎年出題されています。残りの大問1題は熱力学、波動のどちらかが出題されています。


力学    ばねを絡めた問題が複雑で難しい傾向があるようです。

 

2016年

大問①力学 ばねによる小物体の発射装置

 

問1(1)小物体Aが原点を初めて通過するまで、2つの小物体は一体となって運動するので、力学的エネルギー保存則の公式を用いて、速さV0を求めます。

(2)ばね定数kのばねに質量(Ma+Mb)の物体が取り付けられたときの単振動の周期Tはばね振り子の周期Tの公式・・・①を用いて求めます。求める時刻t0は、振動の端からはじめて振動の中心を通るまでの時間であるから、単振動の周期T・・・①のT/4倍に等しくなります。

(3)時刻t0以降、小物体Aはx=0を振動の中心として単振動をする。その振幅をAとすると、力学的エネルギー保存則より、Aの値を求めます。ばね定数kのばねに質量Maの物体が取り付けられたときの単振動の角振動数ωaは√k/Maです。求める式は、t=t0でxa(t)=0であることに注意してxa(t)=Asinω(t-t0)=x0√Ma/Ma+Mb×sin√k/Ma(t-t0)となります。

(4)時刻t0以降、小物体Bは速度v0の等速直線運動をするので、xb(t)=v0(t-t0)=x0√k/Ma+Mb(t-t0)となります。

 

問2(1)小物体Bは反射壁と弾性衝突をするから、衝突後の速度は-v0です。また、小物体Bが再び小物体Aと接触し一体となるとき、相対速度は0なので、このときの2つの小物体の速度は等しく-v0になります。単振動をしている小物体Aに着目すると、2つの小物体が一体となる位置はx=0です。壁をx=D0の位置に固定したときに、はじめて周期運動が観測されたので、以上の条件を満たすもののうち、xの値が最も小さく、小物体Bが等速直線運動をして反射壁に衝突するまでの時間t1-t0も最も小さいものを考えます。

 t1-t0は、小物体Aの単振動の周期Taの1/4倍に等しいので、t1-t0=1/4Taを解いて、t1を求めます。このとき、反射壁の位置はD0=V0×(t1-t0)になります。

(2)描図は省略

(3)反射壁と衝突した小物体Bがx=0に戻ってきたとき、単振動をしている小物体Aと再び一体となる時刻を求めます。

    τp-t0=(p+1/2)Ta(p=0,1,2,・・・)

小物体Bが反射壁まで運動する時間は、τp-t0の1/2倍であるから、反射壁の位置はDp=v0×1/2(τp-t0)=(p+1/2)πx0√Ma/Ma+Mb

 

問3(1)反射壁と衝突した小物体Bがx=0に戻ってきたとき、小物体Aと一体にならないためには、単振動をしている小物体Aがx=0を正の向きに進んでいればよい。x=0で弾性衝突をした小物体Aと小物体Bが周期運動をして、再びx=0に到達したときは、ともに負の向きに進んでいるので一体になります。

(2)省略

 

 


2015年

大問①力学 鉛直面内の円運動、小球を放出して進む台

 

問1(1)糸OA、OA'に生じている張力の大きさをそれぞれS、S'とします。力のつり合いの式より、水平方向:Scos30°=S'cos60° 鉛直方向:Ssin30°+S'sin60°=mg         S=1/2mg

(2)重力による位置エネルギーの基準を床の位置にとって、点Aと点Bの間で力学的エネルギー保存則より  mg×5/2r=mgr+1/2mv1²       v1=√3gr

(3)通過直前の場合:円運動の半径が3rなので、中心方向の運動方程式を立てることにより m×v1²/3r=T1-mg       T1=m×3gr/3r+mg=2mg     

通過直後の場合:円運動の半径がrとなるので、速さv1は変化しないので、同様にして m×v1²/r=T2-mg        T2=m×3gr/r+mg=4mg       T2/T1=4mg/2mg=2

(4)点Aでの初速度の大きさをva、おもりが点Cを通過するときの速さをvc、糸の張力の大きさをTcとする。点Aと点Cの間で力学的エネルギー保存則より mg×5/2r+1/2mva²=mg×3r+1/2mvc² vc²=va²-gr   

 中心方向の運動方程式より  m×vc²/r=Tc+mg       点Cで糸が弛まない条件はTc≧0なので 

  Tc=m×va²-gr/r-mg=m×va²/r-2mg≧0          va≧√2gr      よって最小値v0=√2gr

(5)おもりは、高さ3rからの水平投射であり、落下するまでに要する時間をtdとすると

  3r=1/2gtd²   td=√6r/g         水平距離L=vctd=√6r

 

問2(1)1回目の小球放出直後の小球の速度をx軸の負の向きにv1とすると、小球放出前後において、運動量保存則より  0=(M-m)V1-mv1

放出直後の小球の台に対する相対速度がx軸の負の向きにvであるから      -v=-v1-V1  

2式よりv1を消去すると  0=(M-m)V1-m(v-V1)  V1=m/Mv

(2)同様に、2回目の小球放出直後の小球の速度をx軸の負の向きにv2とすると、

           (M-m)V1=(M-2m)V2-mv2  -v=-v2-V2

2式よりV2を消去してV1に(1)の結果を代入すると、(M-m)×m/Mv=(M-2m)V2-m(v-V2)

                                                   V2=m(2M-m)/M(M-m)×v

(3)同様に、p回目の小球放出直後の小球の速度をx軸の負の向きにvpとすると、

                          [M-(p-1)m]Vp-1=(M-pm)Vp-mvp        -v=-vp-Vp

2式よりvpを消去して 

     [M-(p-1)m]Vp-1=(M-pm)Vp-m(v-Vp)         Vp-Vp-1=m/M-(p-1)m×v      

(4)同様に、2個の小球放出直後の小球の速度をx軸の負の向きにuとすると 

                         0=(M-2m)U-2mu       -v=-u-U

2式よりuを消去して

     0=(M-2m)U-2m(v-U)       U=2m/M×v

(5)UとV2の差は、(2)、(4)より、

   U-V2=2m/M×v-m(2M-m)/M(M-m)×v=-m²/M(M-m)×v<0  U<V2

 

 

 


2014年

大問①力学 斜面上のばねによる単振動

 

 問1 板Aにはたらく力の斜面方向のつり合いの式より mgsin30°=k|x0|     x0<0より x0=-mg/2k

問2 板A、板Bにはたらく斜面方向の運動方程式は

  ma=-kx-mgsin30°-F         Ma=F-Mgsin30°    これらの式の両辺を加えてFを消去すると

  (m+M)a=-kx-(m+M)gsin30°    a=-k/m+M×x-1/2g

これは、各振動数ω=√k/m+Mの単振動なので、振動の中心では力がつりあうからa=0となるので、その位置はx=-(m+M)g/2k    また、もとの2式からaを消去すると 

  1/m(-kx-1/2mg-F)=1/M(F-1/2Mg)         F=-M/m+M×kx・・・①

問3(1)板Aと板Bが離れるのは、これらが押し合う力Fが0になるときであるから、①より

その位置はx=0      力学的エネルギー保存則より、重力による位置エネルギーの基準をx=0の高さにとって、x=-dの点とx=0の点で 

        1/2k(-d)²+(m+M)g(-d)sin30°=1/2(m+M)v²  v>0より  v=√kd²/m+M-gd

(2)球Bについて力学的エネルギー保存則より、最高到達点のx座標をx1として、x=0の点と最高到達点で

  1/2Mv²=Mgx1sin30°   x1=v²/g=1/g(kd²/m+M-gd)=kd²/(m+M)g-d

問4(1)板Aに球Bから押される力Fはないから 

  ma1=-kx-mgsin30°・・・②

(2)板Aのつり合いの位置はx=x0であるから z=x-x0    x=z+x0       これを式②に代入すると

  maA=-k(z+x0)-mgsin30°=-k(z-mg/2k)-1/2mg   maA=-kz
(3)式③より、aA=-k/m×z  これは、角振動数ωA=√k/mの単振動であるから、周期TAは

  TA=2π/ωA=2π√m/k

問5省略

問6省略

問7省略


2013年

大問①力学 斜面と小物体の重心の運動、曲面内の微小振動

 


2012年

大問①力学 斜面上での物体の運動、水平面と物体の繰り返し斜め衝突


2011年

大問①力学 衝突、摩擦のある水平面をすべる物体のばねによる単振動

2010年

大問①力学 ばねによる板の単振動

2009年

大問①力学 運動量と力積の関係、斜面に置かれた2物体の衝突

 

2008年

大問①力学 円運動、衝突

2007年

大問①力学 融合問題

2006年

大問①力学 鉛直ばね振り子の単振動

 

 

 

 

 

電磁気学   

2016年、2015年と難しい問題でした。2014年は解きやすいと思います。電磁気学分野全体から網羅的に出題されているようです。


2016年

大問②電磁気学 オームの法則、ホール効果

 

問1 導体の断面を時間Δt間に通過する電気量をΔQ{C}とすると、導体に流れる電流の大きさI{A}は  I=ΔQ/Δt=e・n・vΔt・ab/Δt=envab{A}・・・{A}

問2 導体内の電場の強さE{V/m}は、E=V/lであるから、力のつりあいの式より、

   e・v/l=kv     v=eV/kl{m/s}・・・②

問3 ①に②を代入すると  I=en・eV/kl・ab       V=kl/e²nab・I

オームの法則V=RIと比較すると  R=kl/e²nab{Ω}  電気抵抗は長さl、断面積S(=ab)を用いて、

   R=ρl/S より、  ρ=K/e²n{Ω・m}

問4(1)温度20.0°Cにおける導体の抵抗率をρ20{Ω・m}、抵抗値をR20{Ω}とすると

   R20=ρ20l/ab=1.60×10⁻⁸×10.0/4.00×10⁻⁴×4.00×10⁻⁴=1.00{Ω}

(2)オームの法則より

   I=V/R20=3.00/1.00=3.00{A}

時間t{S}あたりに発生するジュール熱W{J}は  W=VIt

よって、1.00時間あたりに発生するジュール熱は

   W=3.00×3.00×60×60=3.24×10⁴{J}

(3)温度100°Cにおける抵抗値をR100{Ω}とすると、

   R=ρ0(1+βt)・l/abとして、温度20°と温度100°の抵抗値を比較すると

   1.00=ρ0(1+4.30×10⁻³×20)×10.0/4.00×10⁻⁴×4.00×10⁻⁴

   R100=ρ0(1+4.30×10⁻³×100)×10.0/4.00×10⁻⁴×4.00×10⁻⁴

その結果、 

   R100=1.43/1.086×1.00=1.316≒1.32{Ω}

問5 電子1個にはたらくローレンツ力の大きさは fM=evB{N}

フレミングの左手の法則より、ローレンツ力の向きは、x軸の正の向きになります。

問6 電子はローレンツ力を受けてx軸の正の向きに移動するので、試料のx=bの面が負に、x=0の面が負に帯電します。これによる電場は、x軸の正の向きなので、電子1個にはたらく電場からの力の大きさは  fE=eE{N}         その向きは、x軸の負の向きになります。

問7 力のつりあいの式より  fM=fE        evB=eE         E=vB・・・③

問8 x軸方向の2面間の電位差Vbは   Vb=Eb・・・④

③、④より、vを求めると         v=E/B=VH/Bb        ①に代入すると、I=en・VH/Bb×ab  n=IB=ea/VH{個/m³}

 

 

2015年          

大問②電磁気学 2本の平行レール上を運動する2本の導体棒

 

問1 棒1に生じる誘導起電力の大きさV0{V}は  V0=vBL{V}

その向きは、レンツの法則より、誘導電流を導体棒のP→Qの向きに流す向きになります。したがって、電位が高いのはQの側になります。

問2 回路に流れる電流の大きさI0{A}は I0=V0/R=vBL/R{A}       電流の方向は、P→Qになります。

問3 棒1に流れる電流が磁場から受ける力の大きさf0{N}は  f0=I0BL=vB²L²/R{N}

問4 糸が棒1を引く力の大きさをT[N]とします。一定の速度で棒が運動するとき、おもりも一定の速度で運動し、それらにはたらく力はつりあっています。

   棒にはたらく力のつり合い:f0=T        おもりにはたらく力のつり合い:T=mg        f0=mg

したがって、この速度の大きさをvf{m/s}とすると、問3の結果を用いて、

      vfB²L²/R=mg            vf=mgR/B²L²{m/s}

問5 棒1に生じる誘導起電力によって、棒2にはたらく力は、フレミングの左手の法則より、右向きになります。

問6 棒1、棒2に生じる誘導起電力の大きさをV1[V]、V2{V]とすると

    V1=v1BL          V2=v2BL

回路に流れる電流の大きさをI{A}とする。v1>v2であるからV1>V2となり、キルヒホッフの法則より  v1BL-v2BL=RI           I=(v1-v2)BL/R{A}

問7 棒1に流れる電流が磁場から受ける力の大きさf{N}は左向きに

    f=IBL=(v1-v2)B²L²/R

したがって、運動方程式は

    ma1=T-(v1-v2)B²L²/R・・・①

棒2に流れる電流が磁場から受ける力の大きさもfで右向きであるから、運動方程式は、

    2ma2=(v1-v2)B²L²/R・・・②

問8 おもりの加速度は棒1と同じa1であるから、運動方程式は

    ma1=mg-T・・・③

問9 ②でa2=a1とすると、

   2ma1=(v1-v2)B²L²/R・・・②’

①、②’、③の両辺を互いに加えると

   4ma1=mg            a1=1/4g[m/s²]・・・④

④を②’に代入すると

   2m×1/4g=(v1-v2)B²L²/R           v1-v2=mgR/2B²L²[m/s]   

問10 単位時間あたりのジュール熱W[J/S]は、問6と問9の結果から、

   W=RI²=R[(v1-v2)BL/R]²=R(mgR/2B²L²×BL/R)²=R(mg/2BL)²[J/s]

 

 

 

2014年

大問②電磁気学 抵抗とコンデンサーの直流回路、電気振動

 

2013年

大問②電磁気学 電磁場内における荷電粒子の運動

 

2012年

大問②電磁気学 電流が磁場から受ける力、コンデンサーとコイルの回路の電磁誘導

 

2011年

大問②電磁気学 レールをすべる導体棒における電磁誘導

2010年

大問②電磁気学 抵抗の測定、ホール効果

2009年

大問②電磁気学 ばねに接続されたコンデンサーの極板間にはたらく力

2008年

大問②電磁気学 交流発電機の原理、抵抗とコンデンサーに流れる交流

2007年

大問②電磁気学 コンデンサー、一様な電界中の電子の運動

2006年

大問②電磁気学 交流発電機、金属板を挿入した平行版コンデンサー


熱力学


2015年

大問③熱力学 2室に密閉された気体の状態変化

問1 第1室の気体の物質量をn1とすると、理想気体の状態方程式より、pAVA=n1RTA           n1=pAVA/RTA

問2 隔壁は静止しているので、大1室の気体が外部へする仕事は0になります。熱力学大法則より、ヒーターが第1室の気体に加えた熱量QABは、気体の内部エネルギ-の増加ΔUABに等しくなります。 

問3 大2室の気体の物質量をn2とすると、状態方程式より、

   pA・3VA=n2RTA              n2=3pAVA/RTA

状態Cにおける第1室、第2室の気体の温度をTcとすると、隔壁を固定したまま断熱カバーを開けても、第1室、第2室の気体全体が吸収する熱量は0、気体全体が外部へする仕事は0なので、熱力学第一法則より、気体全体の内部エネルギーの変化は0になります。変化の前後で気体の内部エネルギーの和は保存するので、

   3/2n1R×2TA+3/2n1RTc+3/2n2RTc          Tc=5/4TA

問4 第2室の気体が吸収した熱量Qbcを求めます。問2と同様に、第2室の気体が外部へした仕事は0なので、Qbcは内部エネルギーの増加ΔUbcに等しくなります。

   Qbc=ΔUbc=3/2n2R(5/4Ta-Ta)=3/2×3pa×Va/Ta×1/4Ta=9/8paVa

問5 第1室、第2室の気体の圧力をそれぞれpc,pc'とすると、状態Aと状態Cでボイル・シャルルの法則より

第1室:paVa/Ta=pcVa/5/4Ta       pc=5/4pa        第2室:pa×3Va/Ta=pc'×3Va/5/4Ta       pc'=5/4pA

問6 隔壁が動くことで、第1室の気体が第2室の気体へした仕事W1と第2室の気体が第1室の気体へした仕事W2の間には、W3=-W2の関係があり、気体全体が外部へした仕事は0になります。熱力学第1法則より、気体全体の内部エネルギーの変化ΔU1+ΔU2は、気体全体に加えた熱量に等しくなります。

   ΔU1+ΔU2=3PaVa・・・・・①

問7 第1室の気体について、状態Aと状態Dでボイル・シャルルの法則より、

   PaVa/Ta=pdVd/Td             Td=pdVd/paVa×Ta

したがって、ΔU1は、

   ΔU1=3/2n1R(Td-Ta)=3/2×paVa/Ta(pdVd/paVa×Ta-Ta)=3/2(pdVd-paVa)・・・・・②

問8 第2室の気体の体積をVd',温度をTd'とすると

   Vd'=4Va-Vd

第2室の気体について、状態Aと状態Dでボイル・シャルルの法則より、

   pa×3Va/Ta=pd(4Va-Vd)/Td'            Td'=pd(4Va-Vd)/3paVa×Ta

したがって、ΔU2は、

   ΔU2=3/2n2R(Td'-Ta)=3/2×3paVa/Ta[pd(4Va-Vd)/3paVa×Ta-Ta]

                      =3/2(4pdVa-pdVd-3paVa)・・・・・③

①に②、③を代入すると、

   3/2(pdVd-paVa)+3/2(4pdVa-pdVd-3paVa)=3paVa             pd=3/2pa

  

  

   

  

 

2014年

大問③熱力学 気体の状態変化

 

2012年

大問③熱力学 熱サイクル

 

2011年

大問③熱力学 ばね付きシリンダーと容器間の気体の移動

2007年

大問③熱力学 シリンダー内に閉じ込められた気体の熱サイクル

2006年

大問③熱力学 単原子分子理想気体の状態変化


波動


2016年

大問③波動 凸レンズによる像、顕微鏡の仕組み

2013年

大問③波動 正弦波の式、波の反射によって生じる定常波

2010年

大問③波動 ドップラー効果

2008年

大問③波動 回折格子、凸レンズ、ヤングの実験