開成中学校の算数の傾向

求められるのは特級の空間把握力と論理的思考力

大問3~4題で、難易度の変化、小問集合の有無などの形式面の変化ともに毎年大きい。解答用紙には図形問題で出た図形がそのまま掲載されており、考え方や式などを記述するよう求めている。速さ・相似なども出題されるが、最も大きな特徴として挙げられるのは、難度の高い立体図形(空間図形)と、超長文のルール説明のもと出題される操作や論理の問題だろう。

 

●立体図形…立体の切断・投影に関する出題が多い。小屋の窓から日光が入った場合の床や壁に当たる日光の様子を考えるなど、個性的な出題も目立つ。こういった問題に入試本番、初見で取り組みかつ正解を導き出すためには、立体図形に対してかなりの知識やセンスが求められる。一通り算数のカリキュラムを学習し終えた後、立体図形の扱いについては特に重点的に演習しておいたほうがよいだろう。

 

●長文読解と論理思考…年にもよるが、大問1題程度、超長文の出題が見られる。はじめに操作やルール説明、その後、具体的事例などを図も含め提示している。具体例があるために長文化するのだが、それだけ細かい事例を要する複雑な操作やルールを出されるということであり、内容を把握するために時間をとられる可能性が高い。その上で出題される問題は文章記述問題や該当解をすべて答える問題など高度な論理的思考力を求めるものが多く、最終問題などはルールの本質を見極めないと解ききれない内容となっている。

 

中学受験国語の対策①~実際の試験問題の特徴をつかむ~

 

中学受験国語の対策①~実際の試験問題の特徴をつかむ~


この章では、筆者の経験も交えながら、中学受験国語の具体的な対策と勉強法について述べていきます。

まずは解くテストについて知る事

みなさんのお子さんの目指す中学校はどこでしょうか?
あるいはどの模試、どの塾のテストで点数を取りたいのでしょうか?
まずは解くテストについて知ることが大切です。
 
筆者が受験した洛星中学校では60分の制限時間で大問が2つ、物語文の読解と漢字単体でした。
もうこの情報だけでも、他の中学校よりも漢字の配点が高く、漢字の暗記勉強が重要であることが分かりますね。
 
受けるテストの重要度にもよりますが、そのテストの情報について調べれば調べるだけ良いです。
特に第一志望の中学校の情報は可能な限り集めるようにしましょう。
今の時代、インターネット等にも情報がたくさんありますし、お通いの塾で資料を請求したり、先生に話を聞いたりすることでも情報が得られると思います。
 

複数の情報元から信頼できる情報を

洛星中学の例を出すと、インターネット上にある洛星中学の過去問題を取り扱っているサイトを見るだけでも、大問が少ない分、第1問の物語文の読解は、ボリュームがたっぷり目になっていることや、その物語の題材はかなり古い小説の中から選ばれることが多いことがわかります。
 
注意点としては、情報を集める時は必ず複数の情報元から入手し、照らし合わせるということです。
受験に関する情報が偏ると、本番の問題を開けてみてびっくり、思っていたのと全然違う、となってしまいます。
 
このように、中学受験国語対策は情報を集めることから始めていきましょう。
 

中学受験国語の対策②ー特徴から作戦を立てる

 

中学受験国語の対策②ー特徴から作戦を立てる


よし、情報を集めることができたから勉強をはじめていくぞ!というわけではありません。
ここでもう少し辛抱です。
目標となる中学校の情報が集められたからといっても、それにどう立ち回り、どう立ち向かうかが決められていませんね。
 
ちょうど織田信長が桶狭間の戦いにて、今川軍の兵の数の情報を手に入れただけでなく、敵の陣地、配置などのすべての情報を考慮した上で、しっかりと作戦を立てて、勝利までの道筋を万全にしたことによって勝利を収めたように。
中学受験でも、目標となるテストの情報を得られた後は、限られた時間の中でいかに準備をしていくかの作戦を立てていかなければなりません。
 
では、具体的にどのように作戦を立てていくのか、「時間」と「内容」の2つに分けて話していきたいと思います。
 

どのくらいの時間をかけて勉強するか

これは実際の試験での配点の比を、おおよそそのまま勉強の時間の比として考えてもらえれば良いです。

洛星中学を例にとると、筆者は第1問の物語文と、第2問の漢字の比が5:1〜4:1くらいであるという情報を得ていたので、国語を1週間で10時間勉強するうちの8時間は読解問題、2時間は漢字の暗記に当てる、という采配でやっていました。

塾に通っていて、国語の科目を受講されている方であれば、そこでの読解、漢字の時間も含めて計算していくと良いかと思われます。
筆者も地元の進学塾に通っていて、国語の読解の授業を週に4時間分受講していたので、上に書いた時間は正確には、1週間のうち読解は4時間の授業+4時間の家庭学習、漢字は2時間の家庭学習というような内訳になります。
 
この時間はあくまで参考ですので、もし「漢字がめちゃくちゃ得意だ!」という方や逆に「漢字がめちゃめちゃ苦手だ…」という方はそれに応じて割合を調節してもらえれば良いかと思います。
 

どの単元をどれくらいやるのか

まず、どう単元を分けるかですが、これは大まかに読解と漢字に分けた後は、現代の文学、昔の文学など細分化する必要はあまりありません。
その代わりに「暗記するもの」と「練習するもの」を分けていきましょう
 
「暗記するもの」とは、漢字はもちろん、ことわざや難しい熟語など、文章を読む上で重要かつ必須となるものも含まれます。
これらの「暗記するもの」で使う資料は市販のものや学習塾などで配られる参考書で十分です。
 
「練習するもの」とは「〜の理由を説明しなさい。」や、「この行動を取った時の〇〇の気持ちを説明したものとしてた正しいものを選びなさい。」といった読解問題の記述問題、選択肢問題のことです。
 
これも塾へ行っている方はそこの資料、なければ各中学校の過去問題や同じようなレベルの中学校の過去問題を使うといいでしょう。
 
小学生、特に男の子は、論理的なつながりを読み取ることや全体の構造を抑えながら部分を見る子が多いように感じますので、問題に対する慣れと感覚をつけていくことで苦手を補う、あるいは元々できる子であればその精度を増していく目的で時間をとってあげれば良いかと思われます。
 
どれくらいやるかですが、これは、「できるようになるまで」が答えです。もっと細かく言うと…

「暗記するもの」は、何も見ていない状態から単語帳や、参考書に乗っている四字熟語のリストを(完璧にまでとは言わないにしても、だいたいは)作成できるようになるまでです。
小学1年生の時にはみなさん仮名文字50音、ひらがなとカタカナすべてを書き出せるようになっていたことかと思います。
その感覚で、使っている参考書に載っている漢字やことわざがスラスラ出てくるようになるところがゴールである、という認識をしてもらえれば良いです。
 
「練習するもの」は、どんな問題を見ても「またこのパターンか!これは〇〇でやったことあるやつだ!」と言えるようになるのがゴールである、と思っていただければ良いです。
 
え、そんなのキリがないって思われましたか?
そうなんです。国語は自分の実力が「完成する」と表現することが、ほかの算数や理科、社会に比べて難しい科目なんです。
ですが、完成を想像することがはできます。上記でやったようにですね。
完成を想像して勉強をするのと、想像せずにやるのでは勉強の効率に大きな差が出ます。
ですので、ゴール地点はここだよと示してあげながら学習させるのが、親御さんや家庭教師の重要な役割の1つとしてあげられます。
 
後の項でも述べますが、勉強をする際はご家族の協力と精神状態のコントロールが重要な要素となっています。
 

中学受験国語の対策③~各単元での勉強法~

 

中学受験国語の対策③~各単元での勉強法~


この章では実際に筆者のしていた勉強法や参考書も例に挙げつつ、さらに細かく国語の各単元について、そして過去問題の使い方について解説していきたいと思います。
 

漢字の勉強法

使う参考書は、おおよそ漢字検定に基づいたものがオススメです。
漢字検定は級ごとの出題範囲がはっきりとしているので目安となりやすいためです。
また、6年生になるまでに小学生範囲の漢検(5級)は受かっているので別のことがしたい、もっと受験に特化した漢字の勉強をしたい、という方は
『中学入試でる順(旺文社)』
『漢字の要(SAPIX)』
といった中学受験にフォーカスした漢字の参考書がありますので、そちらをつかうと良いかと思われます。
 
漢字の暗記の勉強法は
①漢字を覚える
②翌日にその漢字を全部覚えているかテストする
③1週間に一回、その週に覚えた漢字をテストする
④1ヶ月に1回、その月に覚えた漢字をテストする
という、時間をおいて4周勉強するというものがオススメです。
 
これは人間の暗記能力を表すデータの1つである「エビングハウスの忘却曲線」というものを参考にしていて、この曲線は一度学習したものは、時間によってどれくらい頭から忘却されていくのか、の割合を示しています。
 
このデータによると、人間は覚えたものを復習しなければ、20分後にはその42%を、1日後には74%を、1週間後には77%、1ヶ月後にはおよそ80%を忘れてしまうようです。
しかし、復習すればするほどこの曲線の傾きは緩やかになっていき(=忘れにくくなっていく)、4回学習すればほぼ完全に覚えられるとされています。
 

ことわざ、熟語の勉強法

ことわざ、熟語のオススメ参考書については、漢字の参考書でも紹介した『中学入試の出る順』のことわざ・慣用句編というものがあります。
基本この一冊でかなりの部分をカバーできると思うのですが、他に塾などで勧められた参考書があればどちらでも結構です。
 
勉強方法に関しても同じ暗記科目ですので、漢字同様、①当日、②翌日、③1週間後、④1ヶ月後の4周学習する方法がオススメです。
 

読解の勉強法

読解は塾でやってくれることが多いかと思いますので、塾で国語を受講されている方はそこで配られた参考書や問題集を優先して行えば良いです。
塾で国語を取っていない・受講していない、という方は
『中学 自由自在 国語(受験研究社)』
という素晴らしい問題演習付き参考書がありますので、そちらを使っていただくと、かなりの力がつくと思われます。
 
勉強法としましては、時間がない日は少しだけでもいいので、毎日問題を解き続ける、というものです。
これまでの説明でも述べましたが、読解問題に関しては、選択肢問題、記述問題にかかわらず、慣れと感覚が重要となってきますのでなるべく問題にも毎日触れている状態にしてください。
 
読解の記述問題では、問題の問われ方によって、「〜ということ。」で終わるのか。
あるいは「〜から。」で終わるのか、語尾を気をつけるといった基本的なことから、感情を問われているときはその人物の発言の周辺を深く読む、などのテクニックまで身につけてほしいことが色々ありますが、ゴールは「自分の解き方が解説の手順と同じだった」というようになることです。
 
読解の選択肢問題では、誤答選択肢の誤りの部分を全て説明することができる所がゴールです。
「必ず」や「全くない」などの表現の入った選択肢は答えになりにくい、といったテクニックなどは、どの参考書に書いてあるはずです。
その都度勉強し、思い出せるようにしてください。

ここまで、対策と勉強法について述べてきましたが、大事なことは
「何をやったか」「どの参考書をやったか」ではなく、「何ができるようになったか」です。
早く1つの問題集を終わらせて、次々問題集をこなしていくというよりも、自分は今何を勉強していて、どんな力を身につけるようとしているのかを確実に意識しながら勉強することが大切です。
 
とはいっても、なかなか難しい場合もあるので、そういった際は塾や家庭教師の先生にお願いするのも一つの方法かと思います。

 

  

スケジュールの立て方とその注意点

 

スケジュールの立て方とその注意点


何を勉強するのかといったことや、週にどれくらい勉強するかがきまったら勉強開始はもうすぐです。
実際に一日単位でのスケジュールを立てて、より効率よく学習ができるようにしてあげましょう。
少し大変ではありますが、他の科目との兼ね合い、集中力、息抜きの時間、学校の時間、塾の予定、睡眠時間すべてを含めて考えて行きましょう。
すでに進め方を確立できている、という方はこの章は飛ばしていただいて構いません。
 
この後の章では、どのように細かく慎重に、かつ神経質になりすぎないようなスケジュール管理と、メンタルの管理をしていくかについて述べていこうと思います。
 

お子さんと一緒にスケジュールを立てる

まずはスケジュールの立て方についてです。
これは他の項でも当てはまることですが、必ずお子さんと一緒に(誘導しながら)作っていきましょう
 
人間の集中力というのは相当訓練された人でない限り、何時間も続くものではありません。
ですので数十分ごとに区切って1単位、1コマとする時間割のような考え方を自学習の場でも用いてあげましょう。
 
筆者の場合は「50分学習+10分休憩」を1コマとして、受験期は学校が終わって家に着く4時ごろから10時ごろまで、夕食を除いた5〜6セットを目安として計画を立てていました。
もちろん塾に行く場合は、その時間も考慮しつつです。
 
基本は1コマに1科目、1日の中でなるべく多くの科目に触れられるような組み合わせを組んでいました。
この意図としては、偏った科目の組み合わせにしてしまうと何日か触れない科目が出てきてしまい、これまでに述べた国語の慣れと感覚を身につけるのに不適切であるからです。
 
スポーツや音楽などを経験された方なら、その感覚がお馴染みだと思われますが、受験のスキルとしての慣れや感覚もそれらと同じく、1日空いただけでかなり変わってくるものなのです。
 

スケジュール立てのメリットとタイミング

スケジュールを立てるメリットとしては、第一に詰めすぎず、休みすぎずのバランスのとれた勉強時間が確保できるということ。
また、その場その場で何をしようかを考える必要がなく、無駄のないスムーズな時間運びができることが挙げられます。

立てるタイミングについては、その前日以前なら、どのタイミングでも構いません。
筆者のように塾での模試の結果が出るごとに科目ごとの時間の調整をしつつ、曜日別ルーティンを決めてもいいですし、毎週次の7日分の予定を立てても構いません。
大事なのは当日の効率を落とさないことです。
 

注意したい事

注意点ですが、お子さんのスケジュールを「完全」に親御さんが管理してしまうことは避けた方が良いでしょう。
親御さんが完全にスケジュールの管理をしてしまうと、お子さんは「お母さん(お父さん)がこれをやりなさいっていってるからやる。」という状態になってしまう危険性があります。
これの何がいけないかというと、お子さんが「今どういう目標があって、今している勉強がどう目標につながるか、どんな力がつくのか」を理解していないと、それを理解しながら勉強するよりも、はるかに勉強の吸収具合が下がるからです。
 
あくまで親はお子さんの自立した勉強、お子さんの自ら学ぶ環境のサポートをする役割である、というスタンスが良いと思います。
 

休憩の取り方と、その注意点

 

休憩の取り方と、その注意点


休憩の取り方にも注意が必要です。
特に国語という科目では、高い集中力で文章を読んでいくという作業が必要となりますので、高い集中力を維持するためにも休憩は重要な要素の1つです。
これは1コマごとにある10分程度の休憩においても、土日や休日に自由時間を設ける際にも共通することですので、しっかり押さえておきましょう。
 

休憩の目的を意識する

休憩とは、ただ休ませるだけのことではなく、疲れているところを積極的に回復させてやる「積極的休養」のことを指します。
 
この言葉はスポーツの世界でも用いられることが多く、その効果がよく認知されています。
例えば、野球のピッチャーが1試合投げ終わった後に、ただ家に帰ってゴロゴロして休むのではなく、ストレッチや、氷で冷やすアイシングや、マッサージ施術などをすることによって、積極的に動くことによって、身体をより早く回復させるというものです。
 

疲労ケアの方法

では、受験勉強をしているお子さんたちはどこが疲れているのでしょう。
医大生の筆者の経験と観点からは、僧帽筋、板状筋、棘筋等、要するに首回りから肩にかけての筋肉と眼、大きく分けてこの2つが疲れると思われます。
特に前者の筋肉が凝り固まると、脳への血流量が減り、脳の働きが低下してしまうのでなるべくケアしてあげましょう。
 
ケアの方法としてはゆっくり大きく首を回す、肩回しをするなどの軽い運動やストレッチ、遠くの山や建物を見るなどが良いでしょう。
じっくり湯船に浸かることは筋肉にも、眼の渇きにも有効なのでオススメです。
 
この「積極的休養」に関して、多くのお子さんにとって、自身のどこが疲れているか、などの認識は難しい、あるいはわからないものです。その代わりに「勉強疲れた」「頭疲れた」「集中力が切れた」「眠たくなってきた」といった訴えが出てくることかと思います。
多くは先ほど述べた首回りの筋肉や眼の疲労から来るものであるので、休憩時間にストレッチをしたり、休日を使ってプールに行って体を動かしたり、温泉に浸かってみたりしてください。
 
注意点として、眼を疲れさせること全般は受験期には控えた方が良いです。
特にテレビやスマホの動画は避けた方が良いです。
眼をさらに疲れさせるどころか、情報が受動的に流れ入ってきますので、自ら積極的に思考する力を奪いかねません。
なるべく家族で協力して、それらがなくても気にならないような雰囲気作りをしてあげてください。
 

メンタル管理~好子と嫌子~

 

メンタル管理~好子と嫌子~


中学受験する上で、お子さんのモチベーションは何よりも大事であると言えます。
どの参考書をやるか、などの議論よりはるかに大事です。
この項ではお子さんのモチベーションを維持するための方法をいくつか述べていくので、ぜひ参考にしてください。
 

目標を達成した後をイメージする

1つ目は、目標への意識を強める方法です。
第一志望校のオープンスクールがあれば、是非いってみてほしいのですが、お子さんに、自分が〇年後、ここで勉強して、ここの食堂で食事をとって、ここの体育館やプールで部活をしているかもしれない、というイメージを持たせることは目標意識を高めるのにとても良いです。
 
筆者も洛星高校のオープンスクールに行き、屋内の電光掲示板付き25m温水プールを見たときは感動して、
ここで部活をしたい!!
と強く思い、勉強にブーストがかかったことを覚えています。
 
野球が好きなお子さんであればグラウンドを見学したり、屋内スポーツが好きな方は体育館を見学したりすることで効果が得られるでしょう。
 

目標を分割する

どのお子さんも中学受験勉強の最終的な目標は中学入学試験合格だと思います。
しかし、目標がそこの1つだけでは途中で目標を見失ってしまうかもしれません。
 
ちょうど富士山登山の際、いきなり山頂を目指すのではなく、節々の何合目かのチェックポイントを目指して歩くように。
受験勉強という長い長い旅路の中では、チェックポイントが必須となります。
それに当たるのが模試や塾の定期テストになります。
 
幸か不幸か、今の時代はどの進学塾でも模試や定期テスト、あるいは授業ごとの小テストでさえも、すべて順位と偏差値をつけて発表してくれます。
それらの数字に目標を設定してあげて、「〇月のテストで〇〇位を取れるように頑張ろう!」ということをお子さんに意識させてください。
 
また、使っている参考書や問題集の進捗具合でも目標を設定してもらってもいいです。
今週はこの参考書の〇〇の項まで勉強しよう!のような簡単なものでもいいので、短期間での目標(チェックポイント)を設定してあげましょう。
 

好子と嫌子

ただ目標設定するだけではモチベーションを上げるには少し弱いです。
ここで好子と嫌子という考え方を用います。
 
好子とは、目標達成した時のご褒美を指します。
もちろん、物品等を与えることに余裕があるならそれでも構いませんが、ご飯を好物にする、どこどこに遊びにいく、などでも構いません。
そこはお子さんが望んでいそうなものを踏まえて提案してあげてください。これを先ほど述べた「積極的休息」と絡めてやることができれば最高です。
 
嫌子は、反対に目標達成できなかった時の罰を指します。
罰といっても大層なものでなくて大丈夫です。
お子さんが「うわっ、めんどくさいな」と思うくらいのものを設定してあげてください。
片付けや食器洗いが嫌いなお子さんであれば「次の1週間毎日夜ご飯の皿洗いの手伝い」などが良いでしょう。
もちろん、お小遣い減額!!といった厳しいものでも構いませんよ。(笑)
 
この好子と嫌子を設定する上での注意点が2つあります。
 
1つ目は、必ずスケジュールを立てるタイミングで一緒に設定してあげる、ということです。
後出しはダメです。
これを設定する目的が、対象期間のモチベーションアップであることがわかっていれば、この意味は容易に理解できるはずです。
 
2つ目は、嫌子に勉強関連のものを入れてはいけない、ということです。
嫌子に勉強関連のものを入れてしまうと、勉強が罰だという認識が生まれ、結果的に普段行なっている勉強までもが罰のように感じてしまいかねません。
これも、勉強のモチベーションアップという目的に反していますね。

この章ではいかに効率よく、そして本人にとってやりやすい環境で勉強をしてもらうかについて述べました。
特に国語では文章を読む間は集中力をキープし続けなばなりませんので非常に重要です。
昔ながらの厳しい、怒号を浴びせるような教育法もありますが、筆者はそれは結果的に「させられる」勉強になり、勉強効率がガクッと落ちる可能性があると考えているので、あまりオススメはできません。
この記事を読んでくださった皆さんはぜひ、お子さんのモチベーションを大切にする方針にして欲しいです。

 

中学受験対策で注意したい、親御さんの協力の仕方まとめ

 

中学受験対策で注意したい、親の協力の仕方まとめ


では最後にこの章で、お子さんと接する際に注意したい事のまとめといくつかの補足をしていきます。
 

目標について考えないまま勉強を促す

これはお子さんが進む道を理解していないのに、早く進めといっているようなものです。
混乱と不安から勉強を避けるようになってしまう可能性があるので、注意が必要です。
 

勉強の進捗状況を確認しないまま注意をする

これも1と似ています。
よく、ドラマや漫画で「勉強してるのー?」という母親の呼びかけに対して子供が「今やろうと思ってたのに!」と怒る場面が見られますが、まさにこれが当てはまります。
 
勉強に関して一緒に歩んで行こうとしていない、勉強の内容は任せっきりなのに、やっているかやっていないかの確認だけをされるということが、子供たちにとってストレスになります。
初めから塾の担任や家庭教師の先生に任せる、と決めているのであれば特に気をつけましょう。
気になるのもわかりますが、中途半端に関わるのが一番いけません
それでも気になるという方は食事の際にでも「最近どんなことやってるの?」といった、Yes/Noではなく、積極的に子供が発言できる質問でおするのが良いでしょう。
 

お子さんの勉強をすべて管理して、お子さんが指示待ち状態

お子さんの中学受験勉強を積極的にサポートしていきたい!という熱心でとっても素晴らしい、しかし少し熱心すぎる親御さんに多いのですが、これは先述した通り、お子さんの自分で考える力を奪ってしまいかねません。
基本はお子さん自身が計画を立てるものとして考えてあげてください。
 

休憩時間にテレビをみている

とてもありがちです。
休憩時間はできればお子さんと話してあげるようにしてください。
お子さんに、休憩時間にテレビやタブレット等の画面を見るのを控えるように伝えていたとしても、「自分はダメなのに、他の人はいいのか」とモチベーションを落としてしまうきっかけになるります。
せめて休憩時間は面白いエピソードを話したり、おやつで糖分を補給してあげたりして、お子さんが積極的休養できる環境を作ってあげてください
 

成績が下がった・目標が達成できなかったから勉強量を増やす

これも先述した通り、できなかったことへの罰や反省として安易に勉強時間を増やすというのは、勉強へのモチベーションの観点から避けるべきです。
明らかに休んでいる時間が多い、勉強時間が全く確保できていないなどの場合はこの限りではありません。

中学受験は理科で点を落としてはいけない

 

中学受験は理科で点を落としてはいけない

 

中学受験では勉強しなくてはいけない教科がたくさんあって、すべての教科になかなか手が回らないと感じている人もいるかもしれません。
理科はその中でも生物、地学、物理、化学と分野が多く、苦手に感じる人も多いと思います。

理科で点数を落とすと危険

しかし、理科で大幅に点数を落としてしまうことは非常に危険です。
理科は知識、思考力ともに求められる教科で、バランスが重要と言えます。
つまり、算数の問題を解く力と、社会のように知識を整理する力、どちらも必要です。
 
特に社会や国語など文系科目が得意で、逆に理系科目が好きでない人は理科で頑張る必要はないと思うかもしれませんが、そこであきらめてしまうのは少し早いかもしれません。
理科は理系科目が苦手な人でも成績アップできる要素がたくさんあります。
これから説明する勉強法を参考に、勉強を進めてみてください。
 

理科の特徴

さらに、理科の特徴というと「枝問」が多いことです。
枝問という言葉を皆さんは聞いたことがあるでしょうか。
まず、問題は大問と小問に分けられます。
大問とは文字通り大きな問題のくくりのことで、その大問の下位に来る問題が小問です。
小問は、1問1問が独立した小問集合形式と、それぞれの小問が関連しているものがあります。
この小問において、さらにその下にいくつかの関連した問題が出されることがあり、これを枝問といいます。
枝問の特徴は、問題が誘導型になっていることが多く、いきなり(3)の答えが出せなくても、(1)、(2)と順番に解いていくことで最後の問いの答えが出せる場合が多いということです。
つまり、いくらか知識があれば、ある程度得点できるような仕組みになっています。
 
算数の場合、枝問ももちろんありますが、いきなり答えを出す問題の場合、一からすべて自分で考える必要があります。
また、国語、社会の場合はほとんどの問題が個々で独立した問題です。
その中で理科は枝問が多い傾向にあり、点数を拾いやすくなっています。
理科が苦手な受験生は確かに多いですが、必ず得点できる問題がちりばめられているので、本番によく問題を読んで解けるか解けないかを判断することは重要です。
 
以上をまとめると、理科は文系の人も理系の人も点数を稼ぐことができ、完答することができなくても部分点を狙える教科ということになります。
逆に言えば、理科で大きな失点をすることはライバルとの差がついてしまい危険です。
それでは、これから詳しい理科の勉強法について解説していきます。
 

最速で理科の成績を上げる

 

最速で理科の成績を上げる

 

理科の各分野について

理科は生物分野、地学分野、物理分野、化学分野の主に4分野に分けることができます。
ややこしいのは、これらの4分野それぞれで勉強法が異なってくるということです。
まず、すべての分野において同じように勉強しているという人は、今一度その勉強法を見直した方がいいかもしれません。
 
例えば生物分野については、知識量がカギとなってきます。
つまり、細かい情報をいかに隅々まで覚えることができるかが重要です。
一方で物理分野については、問題演習を重点的に行うことが必要です。
このように、分野によって問題の傾向・求められる力が異なるため、対策の仕方(何に力を入れるべきか)も少しずつ変わってきます。
短期間で効率よく理科の成績を上げるには、まずこのことを理解しておくことが重要です。
各分野の詳しい勉強法については、次の章から順に説明していきます。
 

勉強法の正しい流れをつかむ

なかなか成績が上がらないと悩んでいる皆さん、
・いきなり問題演習をしている
・参考書を読んで終わりにしている
・解答解説を読んで解きっぱなしにしている など…
これらに心当たりがある方はいるでしょうか。
特に焦りが出てくるとこれらの勉強法はついやってしまいがちですが、もし心当たりがある場合は見直した方がいいかもしれません。
 
多くの場合、勉強には順序が存在します。
まず、知識や原理を覚える「インプット」、次に、覚えたことを使って問題を解く「アウトプット」です。
この順序は中学受験から大学受験、その先まで重要になってきます。
この「インプット」から「アウトプット」の順序を正しく踏まないと、せっかく時間を使って勉強しても思ったように成果が上がらない場合があります。
先ほど挙げた例がなぜよくないのか、勉強の順序という観点からみて説明していきたいと思います。
 

いきなり問題演習をしている

まず、「いきなり問題演習をしている」という例です。
この場合は、インプットを抜かしていきなりアウトプットに持ち込んでいるのが良くありません。
問題演習が中心のアウトプットは、解法を覚えるということはもちろん、自分が覚えた知識を使うことでその知識を定着させることができるという面もあります。
知識をきちんと覚えきれていないのにアウトプットしてしまうと、知識の定着は見込めず、なぜ間違えたかの分析をしっかりすることもできません。
同じ時間を問題演習に使うのであれば、その前にインプットをしっかりして準備万端にした方が何倍もの効果を得ることができ、最終的に近道になります。
 

参考書を読んで終わりにしている

次に、「参考書を読んで終わりにしている」です。
この場合は先ほどとは逆で、アウトプットせずインプットだけで終わっているという点が問題です。
インプットだけで終わってしまうと、その時はしっかり覚えたつもりでも1週間、2週間と時間がたつうちに忘れてしまい、もう一度最初から覚えなおす羽目になってしまいます。
いつでも覚えたことが思い出せるようになるには、インプットした後のアウトプットが重要です。
記憶力がいい人ほどインプットで終わらせてしまいがちですが、次のもう1ステップ、問題演習も忘れないようにしましょう。
 

解答解説を読んで解きっぱなしにしている

最後に、「解答解説を読んで解きっぱなしにしている」です。
これは特に多くの人がやってしまいがちな勉強法ではないでしょうか。
まず、解答解説を読んでいるということから、問題演習、つまりアウトプットしていて間違えてしまった場合の例です。
アウトプットしているというところまではいいのですが、解答解説を読む、つまり情報を得る「インプット」をして終わりにしてしまっていることが非常にもったいないです。
解答解説を読んだら、実際に自分の手を動かしてもう一度同じ問題を解いてみましょう。
解くことができれば問題ないですし、手詰まってしまったらしっかり理解できていないということになります。
自分の理解度を知る上でも、インプット後のアウトプットは非常に重要です。
解答解説を読んだら解きなおしをする習慣を身につけましょう。
 
以上、「インプット」から「アウトプット」という流れについて解説しました。
このことは誰でも簡単に意識することができると思うので、成績が伸び悩んでいる人は要注目です。
 

文章と図で覚える

何か覚えようとするときに、どのようにして知識を頭に入れているでしょうか。
最も一般的なのは、参考書などの文章を読んで、理解して覚えるという流れではないでしょうか。
しかし、理科の場合には図を使いながら覚えると、効果的に知識を定着させることができます
 
例えば、地学分野の天体は、文章だけで覚えようとするとなかなか難しいと思います。
文章を読んで原理がわかったとしても、いざ問題を解くとなるとそれだけでは太刀打ちできません。
このときに、文章に合わせて図も用いることで、より一層の理解が期待できます。
天体の動きを矢印などで表すことで、文章を読むより速く理解できるというのは想像しやすいのではないでしょうか。
 
図の使い方としては、図を見る・描く、の二つに大別できます。
まず覚える段階で、図を見て頭に入れることを意識しましょう。
そのためには、なるべく図解の多い参考書などを選ぶことも重要です。
文章だらけだとなかなか頭に入らず、さらに読む気も失せてしまうことがあります。
図が多く載っているものを選ぶことで、記憶に残りやすく、さらに読みやすくなることが期待されます。
 
次に、問題を解くときやノートまとめなどをするときに、図を一緒に描くことを意識しましょう。
本当に理解できていれば、図を描いて説明できるようになっているはずです。
うまく図が書けないときは理解できていない可能性があるので、もう一度覚えなおしをしましょう。
また、記述問題で図を描くと、採点者にも伝わりやすく、長い文章での説明を端折ることもできます。
問題に応じて、記述の仕方を使い分けることができると、成績アップにつながります。
 
また、表やグラフを積極的に描くのも良いでしょう。
情報が見やすくなるうえ、実際の入試で頻出のグラフや表の読み取りの練習になります。
これからまとめたい情報は、どのように表すと最もわかりやすくなるか、このことを常に考えることができれば考える力がぐっと向上します。
 

文章と図で覚える

ここまで、文章に合わせて図を使うことを説明しましたが、図よりも記憶に残りやすいものがあります。
それは実際の体験です。
例えば、顕微鏡を使った微生物の観察や、簡単な化学反応を実際に起こすことでより詳細な記憶がずっと残りやすくなり、ただ本を読むより理解も深まります。
手軽に試すことができるものは、実際にやってみるというのも確実に勉強になるのでおすすめです。
 
ただし、地層の観察など、なかなか自分でできないものもあります。
そういったものは動画サイトの活用をお勧めします。
動画は体験ほど強烈な記憶にならないかもしれませんが、目と耳を使って覚えることができるので、本を読むだけよりも記憶に残りやすくなります。
体験ができるものは実際に体験を、それが難しい場合は動画サイトなどの活用を検討してみると良いかもしれません。
 
上記のような勉強法にお悩みの際は、家庭教師の先生にお願いするのも一つの方法です。
参考までに下記のページもご覧ください。

中学受験理科<生物分野>の攻略法

 

中学受験理科<生物分野>の攻略法

 

とにかく知識量を増やす

生物分野はほかの分野に比べて、覚えるべき量が多いです。
しかし裏を返せば、たくさん覚えさえすれば点数につながりやすいということです。
覚える量が多く辟易してしまいそうになりますが、演習量を多くこなす必要のある物理などと比べれば比較的短期間での成績アップも見込めます。
もしまだ覚えきれていない範囲があれば、今すぐに覚えるようにしましょう。
その知識が合否を分ける数点分に直結します。
 
どうやって知識量を増やすかですが、まず参考書や教科書の内容は完璧に把握しましょう。
王道な参考書の内容がすべて頭に入れば、簡単に及第点に届きます。
このとき、本を読んだだけではなかなか覚えられないという人は先に述べたように図を用いるなど、工夫して自分が覚えやすい形を模索してみてください。
 
また難関校の入試では、受験生に差をつけるような細かな問題が出題されます。
中堅の学校でも、記述である「虫の模式図を書かせるような問題」など、一風変わったような問題が出題されます。
難しめの参考書、問題集を使って対策しておくことも手ですが、普段から図鑑などを見る習慣をつけておくと良いでしょう。
図鑑は勉強している感がなく、自然と知識を頭に入れることができます。
勉強につかれたとき、気分転換としてパラパラめくってみるのもいいかもしれません。
 

中学受験理科<地学分野>の攻略法

 

中学受験理科<地学分野>の攻略法

 

原理の理解を大切に

地学で重い分野といえば、やはり天体でしょう。
天体は、一見同じような問題が多く出題されていると見ることもできますが、甘く見ていると問題が思うように解けません。
天体では、登場人物が多く出てきます。
まず、自分、太陽、月、星です。天体の問題をスラスラ解けるようになるには、これら4つの要素の関係性、さらに個々がどのように動くのかということを把握する必要があります。
 
これらを理解するために、常に「二つの視点」を忘れず意識しましょう。
二つの視点とは、自分の視点(地球上から見た見え方)と、宇宙からの見え方です。
例えば、地球上からみると月は満ち欠けをしますが、宇宙の中の月という視点で見るとどうなっているでしょうか。
このように、二つの視点からの見え方を考えることで、格段に理解できるようになります。
 
また、天体の場合は常に図を描くことも忘れないようにしましょう。
慣れてくると頭の中で考えて完結させてしまいがちですが、それだとミスが多く起きてしまいます。
慣れてスラスラ解けるようになっても、簡単で良いので図を使って思考の整理をしましょう。
 

簡単に覚えられる方法を見つける

地学では、天体のほかに天気、河川、地層などの問題が出題されます。
とくに地層と岩石の範囲は聞きなれないような単語が多く出てきて、それらを答えさせるような問題も頻出です。
しかし、原石の名前を覚えるときに、これまでの説明のように原理を理解して…というわけにはいきません。
 
岩石の名称には原理も何もなく、ただひたすら名前を覚えるしかありません。
何度も繰り返して覚えるということも大切ですが、覚えるだけにたくさん時間を使ってもいられないので、簡単に覚えることができる方法を模索しましょう。
よくあるのが語呂合わせです。
ほかの教科にも言えることですが、ただ覚えてしまえば良いという内容の場合は、積極的に語呂合わせなどを使っていきましょう。
 

中学受験理科<物理分野>の攻略法

 

中学受験理科<物理分野>の攻略法

 

演習量がものをいう

物理分野で大切なのは、とにかくアウトプット・演習をこなすことです。
物理分野に関しては覚えるべき量というのはそう多くありませんが、その知識をどのように運用するかが求められます。
知識の使い方は、とにかく問題を解いて練習することでしか身につけることができません。
さらに、なるべく速くて正確な計算も、いきなりできるようにはなりません。
計算ミスなく問題を解ききれるようになるために、インプット後のアウトプットを重点的に行いましょう。
 
また、てこや滑車などの力学分野においては図で解くことを意識しましょう。
ほとんどの参考書でも、これらの分野は図解されていると思います。
その図などを参考にして自分で解く際にも図で整理するようにしましょう。
 

中学受験理科<化学分野>の攻略法

 

中学受験理科<化学分野>の攻略法

 

計算力をあげておく

化学分野においては、計算が多く出題される傾向にあります。
さらに立式も、算数のように頭を働かせる必要のあるものが多いです。
本番で焦ってしまわないように、日頃から計算練習は積んでおきましょう。
せっかく原理や考え方がわかっていても、計算でミスしてしまってはとても勿体ないです。
わかった問題はすべて点数に変換する心意気で勉強に臨みましょう。
 
また、化学ではグラフの読み取り問題も頻出です。
特にものの解けかたの問題などは、グラフの読み取りに合わせて複雑な計算も要求されるため、同じような問題でも何度か解いて、解き方をマスターできるようにしましょう。
 

実験の様子を知っておく

近年よく出題されるのが、水溶液の色の変化や燃え方の様子など、実験の様子を答えるような問題です。
問題を解いているおかげで大体の実験の流れはわかっていても、実際に実験して得られるものと比べると大きな差があります。
 
簡単に実験できるようなものは、ぜひ一度試してみてみると良い経験になります。
実際に実験することが難しい場合は、動画を使って実験の様子を見てみましょう。
実際の様子を目で見て知っておくことで、入試の問題にも難なく対応できる状態に近づきます。
 

おすすめの問題集、参考書

 

おすすめの問題集、参考書


最後に、おすすめの問題集、参考書をいくつかご紹介します。

小学高学年自由自在 理科(受験研究社)

ページ数も多いですが、受験に出てくる事柄をほぼすべて網羅していて、たくさんの図表を使って解説しています。
参考書を読んで覚えるのはもちろん、わからない問題に直面したときに辞典代わりに使うこともでき、参考書として1冊は持っていて損はない本です。
 

中学入試まんが攻略BON!(Gakken)

まんが形式で理科の事象の仕組みを解説しているため、参考書を読んでもよくわからない、独学で受験勉強をする必要がある人には特におすすめです。
理科は目に見えないものをイメージする必要がありますが、漫画で解説することによって簡単にイメージしやすくなっています。
 

中学入試よくでるランキング理科(日能研教務部)

この問題集は無駄なくよく出る問題を収録しているため、ある程度インプットが終わった後の問題演習には最適です。
チャック問題もまとめられており、入試直前の確認にも使用できます。
難易度の高い総合問題も収録されているため、幅広いレベルに対応しています。
 

特進クラスの理科 難関・超難関校対策問題集(文英堂)

難関校を目指している人におすすめの問題集です。
標準的な問題集がある程度解けるようになったら、難しめの問題集にチャレンジしてみましょう。
腕試しにももってこいです。
難関校の過去問を収録しているため、本番と同じような問題で演習をしたい人にもおすすめです。
 
ちなみに、家庭教師ファーストでは市販の問題集での指導も可能です。
もちろん塾のカリキュラムに沿った指導もできます。
下記のページも参考にしてみてください。

 

まとめ

今回は中学受験の理科の勉強法についてご紹介しました。
少しでも参考になればうれしいです。
 
中受の理科は複雑な考え方やテクニックがたくさん出てくるので、一人で勉強するのが難しい場合もあると思います。
そんな時のためにも身近に頼れる先生がいると頼もしいですね。
わからないことは、すぐ解決して自分の力に変えていってください。

中学受験の理科は4分野!問題の傾向はある?

中学受験における理科の問題の特徴や、分野別の出題範囲を解説します。

理科の出題傾向と小学校で習うカリキュラムとの違い

中学受験の理科では、小学校で習う生物・地学・物理・化学の各分野から偏りなく出題されます。そのため不得意分野があると高得点を目指すことができません。

また学校によっては、通常の小学校で習う内容だけでは対応できない場合もあるのです。最近では知識を問われる問題ではなく、思考力を問われる問題も増えており、中学受験に特化した勉強が必要となります。

さらにカラー印刷された写真や図が掲載された問題も増えているため、用語を暗記するだけでは対応しづらいのが現状です。

なお配点は、国語・算数が各100点満点、理科・社会は50点満点という学校もあります。

一般的な中学受験の理科の出題範囲について

生物・地学・物理・化学の分野別の、おもな出題範囲を下記に示します。

生物 植物、動物、人体
地学 天体、天気、地層
物理 音、光、電気、熱、てんびん、ばね、輪軸
化学 体積、結晶、金属、pH、濃度、気体

おもな出題範囲だけでも膨大な範囲を勉強することがわかります。

ただ押さえておくべき知識や考え方には型があり、型を覚えていれば解くことができます。

また中学受験の理科は大問の中にいくつか小問が設けられています。関連する小問が多く、問1と問2が解けたら問3も解ける場合も少なくありません。大問を丸ごと失点するリスクが少ない点から見ると、理科は得点を稼げる科目です。

生物・地学・物理・化学の分野別!中学受験の理科の勉強法

「中学受験の理科の勉強法がわからない」と悩んでいる子どもに向けた、効率的な勉強法や学習のポイントを解説します。

理科を効率よく勉強・暗記する方法

理科は下記の順で勉強すると、効率的に問題が解けるようになります。

  • 知識の定着
  • 演習問題
  • 入試問題

この順で勉強する理由は、インプットしてから、問題を解いてアウトプットさせると、知識が定着しやすくなるためです。

反対に暗記だけで終わると、アウトプットができず時間が経つと忘れてしまいます。またいきなり演習問題を解いても、インプットができていないため、何を問われているか問題を理解できません。

そして暗記と演習問題をこなせば、入試問題にも対応できるレベルになっています。そのため暗記・演習問題・入試問題の順は非常に重要です。

なお理科は、文章と図をセットで覚えると記憶に残りやすくなります。例えば教科書や問題集に掲載されている植物の絵をノートに写し、そこに部位の名前を書き込むなどです。

演習問題を解く際も図やグラフ、表を書くようにしましょう。例えば食塩水濃度の問題では、ビーカーに水や塩を入れた実験を題材に、濃度や水・塩の量などが問われます。実際に図や表にまとめると、何を問われているのかが明確になり、どんな計算式を使えばいいかが見えてきます。

理科はイメージが大切になるため、必ず図やグラフ、表を書き込みましょう。

理科の出題範囲別の学習のポイント

生物・地学・物理・化学における、分野別のおもな学習のポイントは下記の通りです。

生物 暗記
地学 暗記と原理の理解
物理 原理の理解
化学 計算問題
生物

生物は基本的な知識問題がメインとなり、細かな知識を問われたり、実体験ベースに考察したりする力が必要となります。難問も出題されることが多いです。ただし生物の問題は、ほぼ出尽くしているため、過去問を解けば傾向がわかることが多いです。

地学

地学は暗記と原理の理解が必要です。地学もある程度パターンが決まっているため、何度も解くことで解法を習得できます。

物理

物理は暗記問題が少なく、いかに原理を理解しているかが最重要ポイントです。知っている原理や公式を使って解答するため、気づきや途中式をメモすると整理しやすくなります。

化学

化学ではほとんど計算問題が出題されます。比を使った計算箇所が多いため計算が得意な子どもは点数を取りやすくなります。ただ問1を間違えると、それ以降の問題も全て不正解となる問題がある点には気をつけましょう。

理科が苦手な子どもの特徴と対策

理科が苦手な子どもの特徴は下記の通りです。

  • 身の周りに興味や関心がない
  • 覚えることが苦手
  • 問題に不慣れ

理科に興味や関心がない子どもは実体験が不足している可能性があります。また机上の勉強と身近な現象や日常の科学がリンクしていないことがあります。
そのため科学館やプラネタリウムなどに連れていくとよいです。机上の勉強だけでは理解しにくい内容も、身を持って体感すると、興味や関心が強まります。

また平均点に満たない場合は知識が定着していない可能性が高いです。知識が定着していないと問題も理解できないため、ますます理科の苦手意識が高まります。中学受験では深く問われる問題もあり、基本的な用語だけではなく意味まで確認しましょう。

そして中学受験の問題では基本知識でも問われ方が違うと答えにたどりつけないことがあります。
また、初見の問題でも与えられた条件や表・グラフを読み取って自分の知識と照らし合わせ答えを導くことが必要となります。
よって、演習問題や過去問は数をこなし慣らすことが大切です。

中学受験の理科を暗記で覚えるコツは?自宅学習のポイント

理科の自宅学習のポイントは、興味・関心を持たせることです。そのためには、天気や天体、植物などの、日常生活に転がっている理科に触れさせることがおすすめ。

例えば天気予報士が「寒冷前線が通過し、激しい雨や落雷に注意が必要です」と説明していたら、参考書などで寒冷前線について子どもと一緒に確認しましょう。

すると「寒冷前線には、通過時に局所的に短時間強い雨を降らせる特徴がある」とわかり、「だから天気予報で言っていたのか」とつながりができます。そして寒冷前線を身近に感じ、興味が沸く可能性があるのです。

そして保護者の方のNGな教え方は「理科が苦手」と決めつけることです。子どもが理科が苦手と思い込み、得意な単元も見いだせなくなるためです。

理科は4つの分野の中に細かな単元が多くあり、一つくらいは好きな単元が見つかることが多いです。好きな単元があれば自主的に勉強するため、得点アップにつながります。「理科が苦手」と決めつけず、まずは興味・関心を持たせるようにしましょう。